今回の旅の目的はつぎの3つ。 

1 ここ数年続けている「中山道」の旅。今回は、軽井沢方面から和田峠を越えて諏訪湖までをたどる。  2 諏訪湖から流れ出す「天竜川」の流れをたどる。3 大鹿村の「中央構造線博物館」を訪れる。

朝の7時に自宅を出て、関越道→信越道と走り、佐久インターで下りる。ちょうど、お昼時だったので、地元の車がたくさん停まっている「治助」というそば屋さんに入り、もりそばをたべる。香りも良く、歯ごたえもあってGood! 天気もよく、信州の山々もきれいだ。
その後は基本的に中山道をたどっていく。望月宿には「望月歴史民俗資料館」があったので立ち寄ってみる。文様の美しい縄文土器や土偶、古墳時代の曲玉や金環などがたくさん展示されている。古代からこの地域がとても豊かだったことがわかる。須恵器などは、この周辺にたくさんの窯があり、生産拠点になっていたようだ。奈良朝、平安朝では、官営の「牧」がいくつも営まれ、全国に馬をおくりだしていたという。古今集などにも「もちづきの牧」を詠んだ歌は多い。良い資料館だった。

いくつかの宿場を通り、和田峠へと向かう。新道を登らずに旧道を登っていく。和田峠は中山道で一番の難所と言われたところ。峠を越えると諏訪湖はすぐだ。諏訪大社下社の春宮、秋宮とお参りする。残念なことに両社とも本殿は改装中だった。地元の酒屋さんによる。このあたりは造り酒屋の多い場所だ。諏訪のおいしいお酒は、と尋ねると、御湖鶴と高天を薦められた。真澄は上諏訪の酒、下諏訪の人間は呑まない、と言われた。真澄ばかりを諏訪の銘酒と思っていた我が身を恥じる。と同時に、下諏訪と上諏訪の強烈なライバル意識を感じさせられた。とりあえず、二本とも買った。

高島城も見学する。豊臣政権時にこのあたりを治めた領主によって造られた城。その後、諏訪氏による支配にもどり、幕末まで続いた城だ。天守は最近になっての再建だが、とても美しい。高島城はすでに諏訪湖畔。湖畔の道筋にはなぜか「かりん」の樹が植えられ、たわわに実っている。今日の泊まりは「緑水」というホテル。ゆっくりと温泉にはいる。このホテルは敷地内から源泉が湧いているとのこと。しかも、湯温が90度近くもあるとのこと。お湯は緑色。とっても良い温泉でした。夕食は「信州コース」というもの。鯉の洗い、馬刺し、あまご、わかさぎ、蜂の子、などなど、信州の味覚づくし。これも良かったです。

二日目は「釜口水門」の見学からスタート。諏訪湖には32もの河川が流れ込んでいるが、出口は「天竜川」への流れ口だけ。今回は、天竜川が諏訪湖から流れ出していることを知り、その起点と太平洋への出口を見たかったのだ 釜口水門の周辺は公園になっていて、水門の資料館も整備されていた。水門にはパナマ運河と同じ仕組みの「船通し」と「魚道」も設けられていた。

天竜川をしばらく下り、伊北インターから高速に乗る。南アルプスの山々が美しい。甲斐駒ヶ岳から仙丈ヶ岳、その南の塩見岳まで見ることが出来る。さらに走っていくと中央アルプスが右手に広がっていく。大学生の時に空木岳の避難小屋で数日を過ごしたことを思い出す。松川インターで高速を下りる。リンゴ畑が広がっている。

さて、ここからは天竜川を離れて大鹿村に向かう。ここには「中央構造線博物館」がある。日本列島は、大陸のプレートに乗っている部分と太平洋のプレートに乗っている部分がくっついて存在している。その境界線が「中央構造線」だ。九州の国東半島、四国の四万十川、渥美半島から伊那谷を通っていく。その構造線の真上に今回訪ねた大鹿村があるのです。すごい博物館でした。今でも日本列島は年間数センチ動いています。その動きを観測しているのが全国に設置されているGPS観測装置だと言うこと。この博物館にもその装置がありました。
中央構造線博物館の裏には郷土博物館もあり、そちらも見学する。江戸時代から続く歌舞伎もこの村の名物とのこと。博物館を後にして山道を登っていく。しばらく行くと、中央構造線がはっきりと姿をあらわしている露頭がある。写真左が日本列島の北側をつくっている岩盤、右が南側をつくっている岩盤(長野県では東西になる)。はっきりとした色の違いがわかるはずです。中央は、そのふたつがぶつかり合って出来た部分。この線は、もともとは二つの部分だった日本列島の接着面ということです。やっぱり、こうして「ほんもの」を観察すると迫力が違いますねぇ
ここからはひたすらに南に下っていく。山また山の連続。天竜川の河口に達したのは夜の7時になっていました。そこから東名の磐田インターに向かい、家に帰ってきたのは23時過ぎになりました。800キロ弱の走行距離。写真は、走りながらあちこちで手に入れた野菜や果物です。中央構造線についていろんなことを知り、天竜川の起点と終点をたどり、佐久平の豊かさを知り、諏訪湖畔の温泉の温かさとおいしさにふれ、盛りだくさんの旅でした。
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